たいやき ともえ庵が運営しているたいやき雑貨販売サイト「たべられないたいやき屋」https://taiyaki.base.shop にある「薩摩真竹のたいやきストラップ」についてご紹介します。

竹の丸みを帯びた曲面がたいやきの立体感をよりリアルに見せてくれる、かなりの完成度のストラップです。

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■鹿児島県は竹の産地、工芸には真竹を使います

 竹は世界的にも様々な地域で自生している植物ですが、特に多いのはアジア地域です。ですから東南アジアの諸国には様々な竹を使った工芸品はあります。日本でも古くから人々の生活に密着した植物として、食用(筍)や建築材料、工芸品への加工、竹炭として燃料化、等の利用がなされてきました。特に工芸品は独自に発達し、日本独特の風合いのものへと進化を遂げています。

 鹿児島県は竹林面積が日本一の県、竹の産地として有名です。

 年明けの1月にはどこよりも早く筍が出荷されますし、育った竹を活用した工芸品を作る会社もたくさんあります。最近では紙パルプや先端素材の原材料としても竹が使われています。

 もっとも知られている種類の竹は孟宗竹(もうそうちく)、筍として食べるのはほとんどこの種類です。これに対して真竹(まだけ)は弾力性がある素材の特徴から、竹かごをはじめとした工芸品に多く用いられます。鹿児島県や大分県に多い竹の工芸品のほとんどがこの真竹から作られています。

「薩摩真竹のたいやきストラップ」は、この竹の産地である鹿児島県で大正時代に創業、以来、ずっと竹工芸一筋の老舗企業、八木竹工業株式会社さんに作ってもらっています。

 

 余談ですが、ラーメンに入っているメンマは麻竹(まちく)という種類の竹で、真竹とはまったく別のもの、日本にはない種類の竹です。最近は国産のメンマもできていますが、国産の場合には孟宗竹を使ってメンマにしているようです。

 

竹林

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鹿児島の竹林と八木竹工業さんの本社、本社は古い武家屋敷の建物を使っています

■もともとはアクリル製のオーナメントを作ろうと思っていましたが、思わぬ仕上がりに竹に変更しました。

 この「薩摩真竹のたいやきストラップ」、かなり偶然からできた産物です。

 もともとは店に飾るためにアクリルを使ったたいやきの形のオーナメントを作ろうと考え、加工方法を探したところ、レーザー加工に行き着きました。レーザー加工で量産できるなら、オーナメントではなく、販売することもできるアクリル製のストラップを作ろうと考えました。アクリル板の透ける感じが美しいと思ったからです。

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アクリルで作ったたいやきストラップ。黒バックだとかなり良い感じに見えます。

 実際に試作も行い、透明アクリルで作ったストラップの仕上がりにある程度満足していたのですが、その際に「竹で作ってみては」と声をかけて下さったのが上述の鹿児島の八木竹工業さんでした。聞けば、小さなものなら竹材でもレーザー加工が可能とのこと。どのように仕上がるかわからなかったので、とりあえずデータを預けて試作してもらいました。

 数日後、八木竹工業さんから完成したとの電話が。やや声が興奮気味です。行って試作品を見せてもらうと、確かに良いものでした。どうやら八木竹工業さんもここまでの仕上がりは予想していなかったらしく、出来上がりを見てかなり興奮したそうです。

 

■「薩摩真竹のたいやきストラップ」の良いところ

 すこし自慢になりますが、このメーカーさんも予想外という「薩摩真竹のたいやきストラップ」の良いところを紹介させてください。

 

・竹の表面の丸みが立体的なたいやきの形にぴったりです

 普通の木を使うと表面が平面になりますが、竹の場合表面にも丸みが残ります。この丸みがあることでたいやきが膨らんでいるように見え、立体的なリアル感が出ています。

 さらに竹の表皮にはつやがありますから、普通の木に比べてすこし高級感が出ます。

 

・周囲の焦げがよりリアル感を高めます

 木質の材料をレーザー加工する場合、どうしても焦げてしまうという弱点が生じます。特に材料をカットする場合にはレーザーの出力を高め、何往復もさせることが多いため、切り口が茶色く焦げることは避けられません。

 このような理由から、「薩摩真竹のたいやきストラップ」も側面が焦げています。でも、モチーフがたいやきということで、焦げていることが自然に見えてしまいます。むしろ、より美味しそうに見えるかもしれないほどです。

 なお、当店の本物のたいやきは周りの焦げを落としてから提供させていただいています。詳しくはブログ記事「ひょっとしたらたいやきで一番美味しい部分かもしれない『バリ』の話」をご覧ください。

 

・デザインと素材感が和の雰囲気を醸し出しています

 ともえ庵の看板や袋にも使われているたいやきのイラスト、実は本物の写真の上に線を重ね、その線を少なく、太くしていくことで単純化、さらに筆で書いたような力強い線に仕上げています。

 このデザインと真竹の素材感により“和”の雰囲気のストラップに仕上がっています。さらに、和の雰囲気を壊さないよう、ストラップに付けるひもは金具がないシンプルなものを選びました。

ストラップというより「根付」と呼びたいくらいです。

 

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和を感じさせるデザインです
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少し丸みを帯びた竹の表面がたいやきっぽさを演出します。また、周囲が焦げているのもたいやきらしい感じになっています。

■レーザー加工ですが、意外に手間がかかっています

 上でも書いたとおり、この「薩摩真竹のたいやきストラップ」はレーザー加工機を使って作っています。このように言うと、レーザー加工機にデータを送り、材料をセットすればあとは自動で出来上がり、というようなイメージを持たれるかもしれませんが、実はそれまでの工程、真竹の下処理に意外に手間がかかっています。

 原材料となる真竹は鹿児島県の産地で伐採されたもの。この竹を陰干しした後に「油抜き」をします。油抜きには、ガスバーナーで直接焙って浮き出た油を拭い取る方法と、大きな釜に入れて水中で加温する方法があります。八木竹工業さんは長い竹をそのまま入れることができる長い釡を使って油抜きをしています。

次に乾燥させた竹を割り、内側から削ります。確かにレーザー加工機は材料をセットすれば自動で加工してくれますが、そのためには原材料の竹を均一の厚さ、大きさに揃えないといけないからです。竹の合板を作る場合には、専用の機械を使ってトリミングと呼ばれる両側から削る方法で加工することができますが、「薩摩真竹のたいやきストラップ」の場合には表皮を残して内側の面のみを削るので、やはり手間がかかっています。

 デザインと前工程に手間をかけることで、「薩摩真竹のたいやきストラップ」が出来上がっています。

2油抜き

 

3製材A
釡を使った油抜きと裁断の様子

■使い方は自由です

 少し前までは携帯電話にストラップを付けるのは当たり前でした。しかし最近はスマートフォンの時代になり、ストラップを付けることがほとんどなくなりました。

 でも、意外に身に付けている小物はたくさんあります。実際にこの「薩摩真竹のたいやきストラップ」を使われている方は、ペンケースや定期入れ、がま口(財布)、小物ポーチ、傘などに付けられています。また、当店で販売しているランチトートに付けている方もいらっしゃいます。もちろん、携帯電話に付けられている方もおられます。

 その他、髪の毛を結うゴムをつけるなど色々な使い方も考えられます。お酒を召し上がられる方はボトルキープのネームタグ代わりに使うと面白いかもしれません。

 

 色々な使い方でご活用いただければと思います。

 

たいやき雑貨販売サイト「食べられないたいやき屋 byたいやき ともえ庵」

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