たいやき ともえ庵は飲食店としては比較的スタッフが長続きする店です。それでも都内で正社員だけではなくアルバイトも含めて働いているとやはり誰かが辞め、新しいスタッフを募集することは時々起ります。

ちょうどこの時期、新しいスタッフを募集しているので、ともえ庵で働くと良いことをランキング形式で紹介します。なお、順位は店側の主観にもとづくものですが、あまり良いことばかりを強調して入ってからギャップで辞められても困るので、同時に悪いこともいくつかやはり順位をつけて紹介したいと思います。

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●たいやき ともえ庵で働くとダメなこと第5位 髪型は自由ですがヒゲは禁止です

 ともえ庵では髪型は自由です。理由は簡単で勤務時間中は頭巾を付けるので隠れてしまうからです。でも、隠すことができないヒゲは食品を扱っている仕事の性質上、禁止にさせていただいています。

 それ以外の点も、基本的には衛生面から考えていただけると解りやすいと思います。例えばピアスなどは勤務時間に外すなら何の問題もありません。つけ外しができないネイルは食品の店として論外、ということになります。 


○たいやき ともえ庵で働くと良いこと第5位 事前に言えば柔軟な勤務も可能です

 アルバイトとしてともえ庵に入る人の場合、「他に大切なことがあるからアルバイト」であることを理解しています。ですから、事前に希望を出してもらえれば可能な限り都合に合わせたシフトを組むようにしています。

 実際に、バンドのツアーがあるので、月のうち1週間はまるまるシフトに入れないという希望や、週末だけしか入れない、夜しか入れない等の希望で働く人もいます。

 ただし、ともえ庵でお願いしているのは、柔軟なシフトを組めることを権利だと思わないでほしいということです。誰かが特殊なシフトで働く場合、必ず他の誰かが無理をしてそのシフトに合わせています。それを調整し、お願いする店長も無理をしています。ですから、変則のシフトが組めることは誰かのおかげ、なので自分が協力できる時には他の誰かのシフト希望を叶えるために協力する、そんな気持ちで働いてもらえればと思います。

 実際に、今のともえ庵で働くスタッフは皆がその気持ちを持っており、それにより変則の勤務ができているのです。

 

●たいやき ともえ庵で働くとダメなこと第4位 「阿佐ヶ谷七夕まつり」と「ともえ庵の日」は死ぬほど働きます

 ともえ庵の良い点として変則のシフト希望が可能ということを説明しましたが、働いてもらう人全員にお願いしているのが、毎月10日の「ともえ庵の日」と8月初旬の「阿佐ヶ谷七夕まつり」だけはできるだけ出勤できるようにしてほしいということです。

「ともえ庵の日」はたいやきが一匹100円になる売り出しの日なのですが、売上を狙ってのことではなく、多数のお客さんに来てもらい、可能な限りたいやきを早くたくさん焼くことで職人としての技量を伸ばす、チャレンジの日と位置付けています。

「ともえ庵の日」に焼き手としてシフトを組まれることは、たいやき職人として認められたということ。忙しい日なのですが、現場のテンションが上がるワクワクした一日になります。とはいえ、かなり体力を使う日であることは間違いありません。

「阿佐ヶ谷七夕まつり」は、ともえ庵の店がある阿佐ヶ谷パールセンター商店街を中心とした阿佐ヶ谷地域で8月初旬の旧暦の七夕に合わせて五日間連続で行われる祭りで、通りをまっすぐに歩けないほど大勢のお客さんが来ます。ともえ庵では毎年、かき氷を中心に提供し、五日間で二千数百杯のかき氷を出す、一大イベントになっています。

 こちらも、現場のテンションが高まる日なので働いていて面白い日でもありますが、確実に体力を削られます。

 

ともえ庵の日袋

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○たいやき ともえ庵で働くと良いこと第4位 店を回すすべてが身に付き、独立できる力がつきます

 ともえ庵は少人数で回している小さな店ですから、働く人はすべての仕事を覚えなければなりません。

つぶあんを炊くことから始まる朝の仕込み、たいやきを焼くこと、かき氷を削ること、接客して販売すること、阿佐ヶ谷練乳餅や「たいやきの開き」などの他の菓子を作ること。取り扱っているメニューがそれほど多くないので、決して難しくはありませんが、真面目に取り組まないとできないものばかります。

 また、ともえ庵では働くスタッフからの提案制度があります。提案の内容は日々の業務の改善が中心ですが、新メニューの提案を行うこともでき、実際にアルバイトスタッフの発案でメニュー化されたものもあります。

 お気づきかと思いますが、ともえ庵で働く人が覚える仕事は一般的な「たい焼き屋さん」のすべてのことです。ですから、小さいながらも店を回せるだけの経験と技術が身に付きます。それは、気持ちがあるかどうかは別にして、独立してたいやき店を営む基礎となる力が身に付くということです。

 

●たいやき ともえ庵で働くとダメなこと第3位 残念ながら“まかない”は出ません

 飲食店で働くメリットとしてよくあがるのが“まかない”、つまり食事が出ることです。税法の定めでは無料で“まかない”を出すことは禁じられているのですが、それでも格安の有料にする方法などで多くの店で“まかない”が出されています。

 この“まかない”、単に食事代を浮かせるためにあるのではありません。本来はまだお客さんに出せるまで至っていない料理人が経験のために料理したり、それを食べることで新人料理人の腕をみたり、新メニューを試したり、と色々な意味があるのです。

 こんな素晴らしい“まかない”制度なのですが、残念ながらともえ庵で扱うのは菓子であり、食事ではないので出すことはできません。昼食は近所の店で済ませたり、買ってきたりしています。

 その代り、ともえ庵で働くと、“まかない”と同じ意味で、かき氷を作って食べることができます。今期(2019年)から始めた制度で、平日のみですがシフトに入っている人は休憩時間か終了後のどちらかに自分でかき氷を作って食べるという決まりです。

これはかき氷のシロップのかけ方や氷の盛り付け方などの感覚が、日々作っている中でずれていくことを防ぐのが目的です。自分で作ったものを食べることでそれが修正されるからです。ですから、ともえ庵で働く人は毎日違った種類のかき氷を食べています。もちろん、かき氷を作る時間、食べる時間は業務時間にカウントしています。

 

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○たいやき ともえ庵で働くと良いこと第3位 嫌な人はあまりいません

 先日、数年間ともえ庵で働いてくれたスタッフの送別会がありました。その席で彼は「どこの職場でも一人くらいは嫌な人がいるもんだが、ともえ庵では一人もいなかった」と話してくれました。

 仕事をする上で給料や待遇も大切ですが、一緒に働く人同士の人間関係は働きやすさに直結するのでより大切です。一丁焼きでたいやきを焼いているので“職人”というイメージを持たれることが多いのですが、新人の指導については良い意味で職人らしくないのがともえ庵の特徴です。

もちろん、人間同士ですから相性もあり、絶対にとは言えませんが、基本的に優しく接してくれる人が多いので人間関係は良好です。

 

●たいやき ともえ庵で働くとダメなこと第2位 あまり「飲み会」はありません

 ともえ庵で働く人は“甘党”が多く、お酒が好きな人がそれほど多くないので、職場での決まった「飲み会」は忘年会くらい、後はせいぜい長く務めた人が辞める際の送別会しかありません。なので、仕事以外で全員で何かすることがない個人主義と店と言えそうです。

ですから、余暇という意味での楽しさを求めるには適していない職場です。

 

 とはいえ、働く人同士が仲が悪い訳ではなく、個人間では一緒にゲームをしたり、釣りに行ったりしているようです。またこれも個人間のことですが、音楽やお笑いなどを目指しているアルバイトがステージに立つ時には、時間が合う人が応援に行ったりすることもあります。

 そうした個人のつきあいは仕事にプラスになることもありますが、店として求めているものでも強制するものでもありませ。要は個人が自分の判断で適切な距離感でつきあえば良いと考えているのです。

 

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○たいやき ともえ庵で働くと良いこと第2位 職人としての技術が身に付きます

 ともえ庵のたいやきは昔ながらの「一丁焼き」の技法で焼いています。作って売る側の我々はあまり使わない言葉ですが、世のたい焼き好きの方からは「天然もの」とも呼ばれる技法です。

※たいやきの「天然もの」と「養殖もの」の違いは過去のブログ記事「たい焼きの天然ものと養殖ものをご一読下さい。

 

 店頭で見ていただければわかりますが、一丁焼きでたいやきを焼くのは職人の仕事です。ともえ庵ではその中でも皮の薄さにこだわって焼く店ですから、お客さんに出せるようになるまでひたすら練習しないと焼けるようにはなりません。

 またかき氷は、氷の細かさにこだわっています。口に入れた瞬間に溶ける氷にするため、氷の扱いや機械の使い方に気を付け、手間をかけて削ります。こちらも、職人の技術です。

 たいやきを焼く技術やかき氷を削る技術は決して一般的なものではありません。ですから、独立することはできますが、一般的な意味で転職に有利になるなどの直接的なメリットが得られる保証はありません。

しかし、どんなことであれ、職人としての技を自分の身につけることができることは、大きな視野で見ると、より多くのものを与えてくれます。

ひとつは、技術を身に付ける過程を経験できることです。どんな仕事であれ、技術や知識を身に付けることを経験することは人間としての成長につながるものですが、特に職人としての技術を身体に浸み込ませる経験は、何かを学ぶことに対する姿勢を変えてくれます。その後にたとえ他の仕事に就いたとしても、「学び方」を知っていることで、仕事に必要な知識や技術をより早く身に付けることができるようになるはずです。

もうひとつは、自信です。たいやきやかき氷という限定されたものでも、誰よりも美味しいものを作ることができる技術に裏打ちされた自信を得ることで、自分や他人に肯定的になり、前向きな人生を送ることに役立ちます。

 

なお念のために書き添えますが、昔と違って滅私奉公を求めたり「技術は見て盗め」というようなことはありません。初心者であることを前提に丁寧に指導しますし、練習するのも業務時間中です。

また、早い遅いの個人差はありますが、途中で辞めることがなければ確実に技術は身に付きますので、安心して働いてもらって大丈夫です。

 

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●たいやき
ともえ庵で働くとダメなこと第1位 仕事のやり方がやや特殊です

 ともえ庵は他にない個性的な店だと自負していますが、それだけに仕事のやり方がやや特殊であることも事実です。

 これは先に説明したことと重なりますが、たいやきの場合には、そこまで必要ないだろうというくらい皮の薄さを求めますし、そのための焼き方も一丁焼きの中でも特殊な方法、そのためのガス台をオーダーして作っているほどです。

※参考 ブログ記事「本気で薄い皮 ~日本でいちばん皮の薄いたいやき~

 

 かき氷の場合、氷の質が安定するまで削った氷を盛りつけず捨ててしまいます。味についても、「他所と同じものは出さない」を基本的な方針にしており、明確に説明できる違いが出せなければ、美味しくてもメニュー化しません。

「阿佐ヶ谷練乳餅」や「たいやきの開き」なども、同じ考え方で作っているともえ庵独自のメニューです。

 ですから、ともえ庵で働いて知識や技術を身に付けても、あまりに特殊過ぎて、そのまま別の店で使うことはできません。独立して店を持つ場合は別として、転職した場合にともえ庵で得られるものは、考え方や姿勢だけになるかもしれません。

 接客も同様で、他の飲食店で接客を覚えてからともえ庵に入った人は、最初は戸惑うと思います。「お客様」という呼び方を禁止しているからです。

 これも独自の考えにもとづくものなので、他の店では応用できないかもしれません。


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○たいやき ともえ庵で働くと良いこと第1位 自信を持って売れるものだけを扱えます

 仕事をする中でもっとも辛いこと、給料が安いことや休みが少ないことよりはるかに辛いことは「お客さんに喜んでもらえる商品を売ることができないこと」だと考えています。

 どんな仕事であれ、それを通じてお客さんに喜んでもらい、その上で対価をいただいて、それが給料になる。当たり前のことですが、意外にそうでない店や会社もたくさんあるように感じます。

 

 ともえ庵が一番自慢にしているのは、お客さんにウソがない商売をしていることです。瓶入り飲料以外のすべての商品(メニュー)は原材料を仕入れて店内で自分たちで作っているものです。瓶入り飲料も工場まで見ており、特に「広島レモネード」はメーカーさんと共同開発したものです。

たいやきの皮に重曹を少量入れていますが、保存料や着色料などの食品添加物を使うことはありません。

焼いたたいやきは20分を過ぎると販売することはなく、当日炊いたつぶあんが余った場合には破棄します。かき氷のシロップも当日もしくは前日に仕込んだものしか使いません。

そして何より、働くスタッフ全員が自分たちのたいやきが日本一美味しいと真剣に信じてお客さんに提供しています。ですから、ともえ庵にはスタッフの家族や友人などがお客さんとしてよく来られます。

※参考 ブログ記事「『日本でいちばん美味しいたいやき』だと自信をもっている理由」 

 

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 少しだけ想い出話を紹介させてください。数年前に新しく入ったアルバイトスタッフのことについて、当時に書いた文章です。

 

「できるだけ働かないように生きていこうと思っていました」

ふた月ほど前から、「たいやき ともえ庵」で働き始めたスタッフから聞いた言葉だ。

彼は25歳のフリーター。大学卒業後、大手ドラッグストアチェーンに就職したが、離職し、東京に出てきたそうだ。偶然食べたウチのたいやきの味が気に入り、アルバイトとして入ってくれたのだ。

 理由を聞いてみると、以前の職場であるドラッグストアでそう思うようになったらしい。

その職場は激務で、新卒で店舗に配属された彼も早々に店長の代理として業務だけでなく売上の責任も負わされる立場になった。

仕事が厳しいことには耐えられたという彼を追い詰めたのは、本部主導のキャンペーンだった。毎月、売上を求められる健康食品は、彼にとってどうしても良いものと思えず、勧めるのに躊躇する商品ばかり。それでも、ノルマに追い詰められて勧めると、結局、買ってくれるのは、人の良いお婆さんばかりという状況に、彼はいつしか「自分が働くことは、誰かに迷惑を押し付けること」と思うようになっていた。

だから、生きるのに最低限必要な分だけ働き、貧乏でいいから好きなことをして生きようと考えていたそうだ。

 「でも、この店では、自分たちが作った本気で美味しいと思えるものを売り、お客さんに喜んでもらえます。働いた分、お客さんが喜んでくれるなら、自分はもっと働いてもいいんだと思えるようになりました」

 すべての大企業、大型店がひどい仕事をさせているとは思わない。また、彼が弱すぎた面もあるだろう。でも、そんな企業があり、傷づいて辞めていく若者がいることも事実である。

傷ついた働く気持ちを少しでも取り戻せる場となれるなら、こんな小さな店が存在してもいいんじゃないかと、少しだけ自慢したい気持ちである。

 

 その後、彼は何年か勤め、焼き手として成長した後に地方の実家に戻るために店を離れました。現在は地元でたいやき店を開くことも含めて、やりがいが持てる新しい仕事をするために活動しているそうです。

 


 ともえ庵は給与や休日、福利厚生などの面では際立って良い職場とは言えませんが、一切の後ろめたさなく働くことができる、という意味では自信をもってお勧めできる職場です。

 このブログ記事を読んでご興味を持っていただけるなら、ぜひご連絡ください。特に正社員については、募集の有無に関わらずお話を伺いますので、遠慮なくご応募ください。

 募集の詳細はホームページの「求人項目」をご確認下さい。
 たいやき ともえ庵公式ホームページ「求人項目」

 

 よろしくお願い致します。