今年に入ってから店頭の貼紙ではお知らせしているのですが、たいやき ともえ庵では201821日(木)から「たいやき」の価格を改定し180円(税込)にさせていただきます。

 

SepiaImage



■原材料の値上がり

中野で開店して7年あまり、ずっと150円(税込)を維持してきましたが、小麦粉、砂糖が値上がりし、さらに一番多く使用する北海道産の小豆が今年から急激な値上がりをしたので、見直しが避けられなくなりました。

 

実は以前、消費税が5%から8%に増税された際に価格改定を検討して「今回は増えた税額を経営努力で吸収し、消費税が10%になるタイミングで価格改定する」と決めていました。ところが、消費増税が延期され、その間に材料価格がどんどん上がるという予想がの自体に直面してしまいました。

 

■北海道産小豆の急激な値上がり

小麦粉、砂糖の価格については上がったと言っても影響は限定的です。当店の場合、どこよりも薄い皮、甘さを抑えたつぶあんなので、原材料として使用する割合がそれほど高くないからです。しかし、その分たくさん使用する北海道産の小豆の値上がりはかなり大きく影響してしまいます。

 

■「人の技術」が本当の主原料です

ただ、小豆の値上がりは北海道の天候の不順による一時的なものなので、来期には価格が下がる可能性もあります。1年間我慢して乗り切れば、たいやき価格を改定しなくてもやっていけるかもしれない、とも考えました。

しかし、現実には小豆よりもっと大きな原価の値上がりが起こってます。

「人件費」です。

 

毎年のように最低賃金が見直され、ともえ庵が開店した2010年度は時給719円だった最低賃金が、2017年度には958円になりました。

もちろん、開店当時の中野や現在の阿佐ヶ谷の立地では最低賃金で人を雇えるはずはないので、それよりも高い時給、月給を出させていただいていますが、これに見るように世の中の人件費の相場がどんどん高くなっているのは事実です。

 

ご存知いただいているように、昔ながらの「一丁焼き」でたいやきを焼くともえ庵では、味、品質は人の技術で決まります。

ですから、ともえ庵では当初の2か月は戦力外です。アルバイトであってもじっくりとたいやきを焼く練習をしてもらい、十分な技術を身につけるまでお客さんにお出しするたいやきを焼くことはありません。

参考:「新人がたいやきを焼けるようになるまで

 

 また、例外的にトラブルが生じた場合などを除いて、週休2日、週40時間以下の勤務形態にしています。労働基準法に定められている当たり前のことなのですが、小規模な店でその当たり前を実現することはかなり困難であることは、小さな店で働いたことがある人ならご理解いただけると思います。

 当店でも、立ち上げ当初には長時間の勤務で乗り切らざるを得ない状況もありましたが、人の配置を手厚くして、現在は無理なく働いてもらえる環境が実現できています。

 しっかりとした技術を身につけて、職人として「ともえ庵のたいやき」を焼き続けてもらうには、安心して働ける店であることが必須であると思っているからです。

 

ここまで読んでいただけるとご理解いただけるかと思いますが、一丁焼きのたいやきの原価の多くは、人件費、つまりヒトが占めています。

働き方の見直しが進む現在の環境を考えると、これから先、人件費が下がることはないと思われますし、そうでなくとも可能であるならば、人件費を上げて行きたいとも考えています。

 

■味を守るための価格改定にご理解をお願いします

 たいやきは決して高級な菓子ではありませんが、ともえ庵なりのこだわりをもって原材料を選び、その品質を維持していきます。また、職人は安定して美味しいたいやきを焼き続けられるよう、常に腕を磨いていくつもりです。店としてもその環境を作り続けたいと考えています。

 

 本当に心苦しいのですが、原材料費、人件費の高騰の中で味を守っていくための改定ですので、ご理解いただけると幸いです。

 

■たい焼きの標準的な価格が変わっていく兆しがあります

 ともえ庵はあまり他のお店のたい焼きについて気にすることはありませんが、今回の価格改定を踏まえて、少しだけ他の有名店や規模の大きなチェーン店の値段を見てみました。

 ともえ庵が開店した7年前は、普通のたい焼きの値段は一匹100120円、一丁焼きで一匹130150円が相場だったように記憶していますが、その後、少しずつ値段が上がり、少し前には普通のたい焼きが120150円、一丁焼きはほぼ150円になっていました。一丁焼きは150円の壁を超えることができず値段があまり変わらなかったため、普通のたい焼きの値段が迫ってきていたのです。

 その中で原材料や人件費が目立って上がった2017年、値段を改定されるお店が相次ぎました。一丁焼きで唯一チェーン展開をされている「鳴門鯛焼本舗」さんが180円、もっとも有名なたい焼き店の「浪花屋総本店」さんも180円になりました。(総本店さんだけが180円で、他ののれん分けのお店はまだ150円のようです)また、一丁焼きではありませんが「神田達磨」さんのチェーンも180円にされています。

 

 他の店を見て決めた値段ではありませんが、ともえ庵も同じ180円です。やはり同じ業種なので、真剣に価格を考えると同じくらいになっていますのではないでしょうか。おそらく今後は、特に一丁焼きのたいやきの値段は180円が標準になってくると思います。

 他のお店の方も同じ想いをお持ちだと思いますが、一丁焼きのたい焼きは本当に手をかけて作っています。その手間と作り置きができないという特性を考えると、洋菓子店のケーキより価値が落ちるなんて考えている店は一軒もないでしょう。

それでも、もともとが駄菓子であり、気軽に食べることができるという良さを残すため、各店が努力をしてこられた結果が今の値段なのだと思います。

 

 他のお店と同様に、当店でも新しい値段の中で努力し、喜んでいただけるたいやきを出し続けたいと考えております。

 今後とも、たいやき ともえ庵を、そして一丁焼きのたい焼きをよろしくお願い致します。

 

 

DSC_0018-2