夏看板

 最近はブームになっていることもあり、新しいかき氷屋さんが増えています。新しい店でなくても、異業種の飲食店でかき氷をメニューに加える店もあるので、かき氷を扱う店の数はかなり多くなっています。

 既に飲食店をされている場合、かき氷をメニューに加えるには、かき氷機を購入するだけ、シロップなどは、手持ちの調理器具で作れるため、わずか10万円程度の投資でできてしまいます。また、有名かき氷店がレシピ本を出しているので、シロップの作り方も入手することができます。

 ブームのおかげでかき氷の単価が上がっているので、少し目端が利く飲食店の経営者が雪崩を売って参入するのも無理はありません。

 

 かく言ううちも、「最初はたいやきだけだったのに、3年目の2013年からかき氷を加えた店」なので、異業種参入組ということになるかもしれません。

 ただ、少しだけ言い訳をすると、本当は開店当初からたいやきとかき氷の両方を扱う店にしたかったのです。

 もともとかき氷が好きで、冬でもメニューにあると頼むほど。その頃は、製氷機のバラ氷で削ったものでも平気でした。仕事で東京都練馬区の江古田地域に行っていた頃は、今はなき伝説の喫茶店「トキ」でいつも注文していました。また、中部コーポレーションの家庭用のかき氷機を常備しており、知人にも勧めていたほどです。なので、かき氷屋さんは、たい焼き屋さんとともに憧れの対象でした。

アイスロボ小
 これが中部コーポレーションの家庭用かき氷機「アイスロボⅢ」です。「通販生活」でも売れ筋になった商品で、当時としてはバラ氷をかなり細かく削ることができました。色さえこれじゃなければ・・・。


 それでも始めなかったのは、純粋に勘違いが原因です。保健所の許可が下りずできないと思い込んでおり、その勘違いに気づくのに二年もかかってしまったのです。

 というのは、商売としてかき氷を提供するには「喫茶店営業」の資格を満たすことが必要なのですが、開業当時の中野の店は狭く、それを満たすだけの設備が置けなかったのです。なので、かき氷の営業はもっと大きな店に移ってからと諦めていました。

 その後は店の立ち上げ、運営でバタバタしていたのですが、二年ほど経った時に、小さな店でもかき氷を出していることに気づき、保健所に再度問い合わせをし、「客席を持たない喫茶店営業」という区分があり、それであればうちでもかき氷が出せることが分かったのです。

 

 ものは尋ねてみないと分かりません。インターネットで情報を集めて、勝手に無理と思い込んで二年も損をしてしまいました。

 ただ、二年遅れたことでかき氷についての情報収集と勉強はたくさんすることができました。もともと好きだったので、有名店はある程度食べ歩いていたのですが、インターネット上の情報や書籍等で学べることも増え、その間に作りたいかき氷が定まってきました。

 かき氷の美味しさにも色々な方向があります。うちでは、「食べて気持ちが良いかき氷」を目指すことにして、今現在まで続けています。

 うちが考える気持ちの良さについては改めて書きたいと思います。